厚生労働省に希少がん対策に関する要望書を提出
RCJは2019年12月25日、厚生労働省に希少がん対策での「情報提供」「新技術の優先的活用」「実態調査と希少がんセンターの設置」を求める要望書を提出しました。
当日は、厚生労働省健康がん・疾病対策課の丸山慧推進官にご対応いただき、要望を強くお伝えしました。
2019年12月25日
厚生労働大臣 加藤 勝信 殿
一般社団法人日本希少がん患者会ネットワーク
理事長 眞島喜幸
希少がん対策に関する要望
世界において、希少がんはがん人口の22%、がん死亡者の35%を占めていると言われ、一般的生存率65%に対して希少がんの生存率は47%と大きく差があります。日本でも希少がんは年間10万人に6人未満の発症かつ受療上の課題がある疾病と定義され対策が進められていますが、未だ、その恩恵を得られていない患者が多くいます。小児がんを含めた希少がんは、大変多くの種類があり、稀であるがために専門医、治療開発、それに関する情報までが非常に少なく、また情報が医療者にも届いていないために救える命が救われなかったり、難治性となっている疾病が多くあります。等しく税金を払っている国民だれもが希少がんになる可能性があり、5大がんに対する支援だけではなく、各種希少がんにも公平できめ細かな支援が求められています。現在、世界ではゲノム医療の推進、AIによる分析へと大きな展開を見せ、日本でも全ゲノム解析が検討され、医療ビッグデータの利活用が進められています。希少がんの治療開発について、今こそ、力を入れるべき時であると考えます。また、全国に孤立している希少がん患者救済のため、各地域に希少がんセンターが設置されることを願い、下記要望いたします。
記
一、【情報提供】
希少がん患者一人ひとりに対策が届くよう、疾病の情報、臨床試験情報等の関連情報をまとめ、わかりやすく提供してください。
二、【新技術の優先的活用】
希少がんの診断・治療開発の不利な状況を鑑み、遺伝子情報、リキッドバイオプシーなど新しい技術を優先的に活用し、希少がんの治療開発を効率的に加速化させてください。
三、【実態調査と希少がんセンターの設置】
全国がん登録やビッグデータを活用し、希少がん患者の実態調査を進めると同時に全国各地域に、希少がんの医療・情報の中心となる希少がんセンターの設置をお願いします。
以上