厚生労働省に希少がんの新薬開発に関する要望書を提出

RCJは2021年5月27日、厚生労働省を訪問。RCJから、GISTERS理事長でもある西舘澄人RCJ副理事長と、馬上祐子RCJ事務局長が、医薬品審査管理課長、審査調整官と面談いたしました。そして、希少がんの新薬開発に関する要望書を提出しました。

生命に重大な影響のある希少がん患者は、常に新薬開発を待ち続けています。効果が認められた薬剤なのであれば、いち早く承認してほしいものですが、まず、厚生労働省の優先審査等に指定されないことには、早期の承認は望めません。そこで希少がんを対象とした薬剤が優先的に迅速な審査が受けられるよう、体制の整備を強く要望いたしました。

希少がんの新薬開発に関する要望書を提出。吉田易範医薬品審査管理課長(右)、西舘澄人RCJ副理事長(左)
希少がんの新薬開発に関する要望書を提出。
吉田易範医薬品審査管理課長(右)、西舘澄人RCJ副理事長(左)

令和3年5月27日

厚生労働大臣 田村 憲久 殿
大臣官房・医薬担当 審議官 山本 史  殿
医薬・生活衛生局長 鎌田 光明 殿
医薬品審査管理課長 吉田 易範 殿

一般社団法人 日本希少がん患者会ネットワーク 理事長 眞島喜幸
GIST・肉腫患者と家族の会NPO法人GISTERS 理事長 西舘澄人

希少がんの新薬開発に関する要望書

希少がんを適応として開発された新薬、あるいは既存の薬剤で希少がんについても適応が追加されるものにつきましては、希少がんが生命に重大な影響がある疾患であって患者の肉体的・精神的な負担が多大であることに鑑み、罹患者数に関わらず、優先的に迅速な審査が受けられますよう、体制の整備を行っていただく事を強く要望いたします。

要望理由

私ども日本希少がん患者会ネットワークは、希少がんを適応とする薬剤の開発推進、希少がんの治療環境の改善を願い、所属する19団体と共に活動しております。

希少がんは他の罹患者数の多いがんに比べ治療成績や生存率が低く、治療薬の開発も進んでおりません。標準治療や適応する薬剤が少ないため、治療は臓器別や症状の近い他のがんの標準治療に倣って行われており、十分な結果を得られていないのが現状です。また、GISTのように承認薬が複数あるような場合でも完治できる可能性は低く、いずれの薬剤にも延命と症状緩和という効果しか望めません。希少がん患者は治療薬の開発が先か、治療の効果が切れるのが先かという、大変厳しい状況の中で、常に新しい治療法としての新薬を待ち望んでいます。既存の治療法、治療薬の有無に関わらず、全ての希少がんにおいて、この事を考慮した方策が取られるべきだと考えます。

ぜひ希少がん患者の窮状をお察しいただき、希少がんを適応として新規に開発される薬剤、適応が追加される薬剤につきましては、優先的に迅速な審査が受けられ、一日も早く必要とする患者さんの下にお薬を届けられるよう、体制を強化してくださることを強く要望いたします。

以上