希少がんの定義
患者数が少ない、まれながんである希少がんは、厚生労働省の検討会では「概ね罹患率(発生率)人口10万人当たり6例未満」「数が少ないため診療・受療上の課題が他のがん種に比べて大きい」これら二つの条件に該当するがん種を、政策的な対応を要する希少がんと定義しています。
診療・受療上の課題とは特に
- 標準的な診断法や治療法が確立しているかどうか。
- 研究開発、臨床試験が進んでいるかどうか。
- 既に診療体制が整備されているかどうか。
を言います。
個々の希少がんはいずれもまれな腫瘍であるにも関わらず、その種類が多く、すべての希少がんを合計するとがん全体の2割程度を占めるといいます。ヨーロッパでの調査では22%、日本の12県の地域がん登録からは15%という調査結果があり、がん患者10人のうち、2人が希少がんなのです。また、世代別に見れば、小児からAYA世代まではむしろ希少がんの合計が多いのです。
※参考:「希少がん医療・支援のあり方に関する検討会報告書」厚生労働省 2015年8月(PDF)
※参考:「Rare cancers are not so rare: The rare cancer burden in Europe」EUROPEAN JOURNAL OF CANCER 47 2011年(PDF)
希少がんの種類
どのようながん種が希少がんに当たるか、国内にはまだ正確なリストがなく、2017年から始まった「全国がん登録」のデータ集計を待つことになります。
現在、希少がんかどうかの目安としては、ヨーロッパのRARECARENetが公表する「List of Rare Cancers」の「Tier2」が参考になります。こちらはがんの分類が出されています。
これは、厚生労働省の「希少がん医療・支援のあり方に関する検討会」でも当時のリストが利用されました。
また、希少がんセンターのサイトにある「さまざまな希少がんの解説」で、国立がん研究センターの担当医師が希少がんと考えられる主だったものを取り上げています。