希少がんは希少であるがゆえに退院後のこころとからだについての悩みを共有できる場が少ないという問題があります。
第5回希少がん患者サミットでは「退院後のこころとからだの悩み」をテーマに退院後のこころとからだの悩みについて、ステークホルダーと共に解決の糸口を探しました。

また、現地開催当日の朝、午後のサミット参加者対象に、10時〜11時に20名様限定で、マギーズ東京(詳細はリンク先へ)の見学会を開催しました。
希少がん患者サミットは「希少がん啓発月間2025」のメイン企画として開催いたしました。希少がん啓発月間2025の特設ページはこちらです

第5回 希少がん患者サミット オンデマンド配信

※動画編集が完了し次第、近日公開いたします。


第5回 希少がん患者サミット 交流会報告

交流会は、現地参加の皆様と、ご登壇の秋山正子先生、および清水研先生、そしてがん研有明病院長の佐野武先生にもご参加いただき、6〜7名ずつ合計6グループとなり「毎日の生活で困っていること」についてグループセッションを行いました。
患者、家族、遺族、企業関係者、医療関係者、RCJスタッフがなるべく偏らないメンバー構成とし、セッション後グループごとに簡単に発表していただきました。
各グループで話された悩みやアイデアの発表から、日頃、患者や家族は医療関係者の方々にサポートいただいているものの、それだけでは解決しない毎日の生活での困りごとは多岐にわたることが浮き彫りに。和やかななかにも良い話し合いの時間となりました。以下に各グループの発表内容を要約いたします。

Aグループ

  • 闘病生活の中で、感情との向き合い方やストレス対処法、患者会情報、治療に関する情報へのアクセスが苦労した。
  • 東京にはマギーズ東京があり、患者会も大都市圏に多いが、地域によって患者と繋がれる機会が変わってくる。

Bグループ

  • 相談支援にまで辿り着けず精神的に辛かったという声に対し、がん支援相談センターがあることやマギーズ東京に救われたという方がいた。
  • 退院後の、医療支援、保険で受けられる支援、訪問看護など情報がもっと入るようになると良い。
  • 小児がんのこどもへの告知や、周囲への告知について。状態が落ち着いているなら今困っていることを伝える。
  • 言えない辛さ、今まで楽しんでいたことが楽しめない思いを共有できたら良い。
  • 自分が話すことで周囲ががん検診に行ってくれたら嬉しい。

Cグループ

  • がん種、社会制度、病院・製薬会社などビジネス関連、メディアなどノイズに関すること、生活全般における不自由さなどが語られた。
  • 家族が退院したばかりで知識がないため、AIでがん情報アプリを作ってみた。シェアして皆と情報を共有したい。

Dグループ

  • 日常生活の辛さや症状について、どういう先生に相談したら良いか悩ましいが、自分が納得できるまで聞くことが大事。
  • 転勤があるとかかりつけ医と離れてしまうことから、病院間でデータ連携できるシステムのサポートがほしい。
  • 医療の均てん化に対し、希少がんの場合は専門的治療を受けられる集中化が必要。またそれに対する生活費(宿泊費)の補填も考えていけると良い。

Eグループ

  • 日常生活の困りごと(治療が未確立で不安、放射線治療で唾液が出ない、ストマ装着で日常動作の不便、副作用の辛さ、晩期障害 etc.)
  • 小児がんの場合、成長とともにいろいろな配慮が必要。
  • 近年の治療の進歩はあれ、細やかな配慮は必要。
  • 外出先や会社でのトイレ事情(シャワートイレがない、オストメイト未対応、身障者用トイレに入りにくい等)。
  • 個人の声を上げられる仕組みがない。
  • 情報が行き渡ってないため周囲の理解がまだ足りない。

Fグループ

  • 手術後の食事の難しさや体調が安定しないこと。
  • 再発への不安。
  • 特別扱いしてほしくない。
  • 周囲にどこまで告知するか難しい。
  • 製薬会社はここ10年くらいで、患者の声をより聞くという方向になっている。
  • ドラッグラグ、ドラッグロス、お金の問題など、簡単には解決しない問題がある。
  • 気兼ねなく病気のことを話せる場所があることは重要。

最後に佐野先生より、東京都では「東京都がんポータルサイト」があり、どこの病院にいけばどんな治療が受けられるかわかるので活用、情報共有してほしいとのお話もありました。


第5回 希少がん患者サミット 概要

開催日時
2025年2月23日(日)13時30分~16時35分(13時開場)
(会場参加者に限り、当日10時〜11時に20名様限定(先着順)で、マギーズ東京の見学会を開催しました)
開催方法
ハイブリッド開催〈会場参加&YouTubeオンライン配信〉
現地会場
がん研究会 有明病院 吉田富三記念講堂(住所 東京都江東区有明3-8-31)
※休日のため救急時間外入り口から入り、真っ直ぐお進みください。
現地参加人数
およそ100名
参加費
無料(要申し込み)
共催
一般社団法人 日本希少がん患者会ネットワーク(RCJ)
公益財団法人がん研究会 有明病院

第5回 希少がん患者サミット プログラム

時間 内容
13:30▷13:35 第5回 希少がん患者サミット 開会のご挨拶
大西 啓之(RCJ理事長)
佐野 武先生(公益財団法人がん研究会有明病院 病院長)
13:35▷14:05
(講演15分/質疑応答15分)
講演1
不安の中で自分の力を取り戻すサポート
秋山 正子先生(マギーズ東京 共同代表理事・センター長)
14:05▷14:35
(講演15分/質疑応答15分)
講演2
がんとこころのケア
清水 研先生(公益財団法人がん研究会有明病院 腫瘍精神科 部長)
14:35▷14:45 休憩
14:45▷15:05
(発表各10分)
さまざまな患者からの声
福智 木蘭氏(頭頸部がん患者と家族の会 Nicotto 会長)
関 智一氏(横紋筋肉腫 家族の会共同代表)
15:05▷15:15 患者からの声
大西 啓之(RCJ理事長)
15:30▷16:30 交流会(セミナールームに移動して行います)
毎日の生活で困っていること グループセッション
参加者の皆様
御登壇の先生方
16:30▷16:35 閉会のご挨拶
大西 啓之(RCJ理事長)

※オンライン参加の方は交流会にはご参加になれません。


第5回 希少がん患者サミット
第5回 希少がん患者サミット(クリックしてPDFファイルをご覧ください)