第1回 MASTER KEYプロジェクト定例会報告
MASTER KEY(マスターキー)プロジェクトは、希少がんについて遺伝子情報などのデータを集め、さらに臨床試験を行って、希少がんのお薬を開発していこうというもの。国立がん研究センター中央病院が中心となり、医療機関、製薬企業、そして患者も一緒に協力し合って進めるプロジェクトです。
3月4日に行われた第1回MASTER KEYプロジェクト定例会では、国立がん研究センターの担当の先生方より進捗状況をご説明いただきました。さらに、RCJからの質問にも回答いただきましたので、Q&Aで掲載いたします。
Q. 現在(2019年2月)におけるMASTER KEYプロジェクトについて教えてください。
A. PDFにまとめましたので、そちらをご覧ください。(PDF)
内容をピックアップしてみましょう。
まず、参加条件である主な適格基準は、希少がんや原発不明がん、希少組織亜型で、治癒不能な進行がんの方です。
現在、登録は500例を超え、登録された希少がんの種類は、軟部肉腫、中枢神経のグリオーマ、神経内分泌腫瘍、乳房の上皮性腫瘍が上位となっています。また昨年11月からは血液疾患も登録できるようになりました。
なお、PDFには現在の副試験(臨床試験)の対象なども載っています。まだまだ少ないですが、今後は、登録された患者の受け皿となる副試験を多く実施することが重要だとしています。
Q. 参加登録数に上限はありますか。
A. ありません。
Q. 参加の条件で「何らかのバイオマーカー検査を受けている」とありますが、どのようなバイオマーカー検査を指しますか。
A. 基本的にはどのようなバイオマーカーでも構いません。免疫染色(病理診断の一つ)だけでも可能です。
Q. 遺伝子解析について4月から保険収載されるということですが、小児については保険収載されますか。
A. 小児については保険収載されないので、引き続き研究の一環として行います。
Q. 1歳から参加できるということですが、1歳から19歳までの成人未満の方はこれまでに参加されていますか。
A. 小児がん者登録例は11例あります。
Q. 臨床試験は、小児も成人も同じお薬を体に合わせた量を使うのですか。
A. 臨床試験に小児が入った場合、小児量で投与しないといけない薬剤もあるが、小児も成人と同じ量で問題ないとされた薬剤は同じ量を使います。
Q. 腹膜偽粘液腫や境界悪性卵巣腫瘍も参加できますか。
A. できます。
Q. 胸腺腫瘍のような遺伝子変異の頻度が低い希少がんも参加したほうが良いですか。
A. 胸腺がんについては治療の開発が進んでおり、これまででも国立がん研究センター中央病院で医師主導治験が2課題行われました。
参加してデメリットとなることは特にないと思われます。(参加するには実施病院に行かなければならないため、遠方の方などはそこがデメリットとなります。)
以上です。
また、次の定例会後に新しい情報をお伝えできるでしょう。