このたび、初代理事長眞島喜幸の後を受け、一般社団法人日本希少がん患者会ネットワーク理事長を拝命いたしました、大西啓之と申します。
希少がんの患者と家族が尊厳をもって安心して暮らせる社会を目指すため、当法人は2018年に発足し、現在、団体会員数は20団体となりました。希少がんは、これまで患者数が少ないために、診療体制の整備や治療法の開発、基礎研究、情報公開が遅れていました。しかし、個々の希少がんはいずれも稀な腫瘍であるにも関わらず、その種類が多く、すべての希少がんを合計するとがん全体の2割程度を占めます。
そうした中、私たちは毎年2月を希少がん啓発月間と定め、国民全体の希少がん(小児AYAがん含む)への関心を高めてきました。また、希少がん患者サミットでは、希少がんの創薬と連携やドラッグラグ・ドラッグロス問題等の課題を産官学患がそれぞれの立場で何をすべきか、そして協働して何ができるかを考えてきました。さらにMASTER KEYプロジェクトと共に、希少がんの臨床研究の啓発イベントを推進してきました。
私たちの最大のビジョンは、「希少がんで亡くなる人がいない世界をつくる」ことです。専門医教育を含む専門施設や相談場所の整備、治療法・新薬の開発などを含む、希少がん医療体制の改善に今後も取り組んでいきます。
私たちは、それぞれ患者会活動を長年行ってきた経験を活かし、希少がんの患者会ネットワークとして一丸となり、患者中心の医療を実現するために、産官学患ネットワークの構築、患者・家族への正確な情報提供、国際標準治療へのアクセス、これらを実現するための政策提言活動に今後も尽力してまいります。
今後、皆様のご要望にお応えできるよう参加団体一同、誠心誠意努力する所存ですので、ご厚情とご指導の程よろしくお願い申し上げます。
2024年8月吉日
一般社団法人日本希少がん患者会ネットワーク
理事長 大西 啓之 おおにしひろゆき